念願だった介護事業を手掛けるケアフィールドかがやきを立ち上げた石原社長と高橋の出会いは、平成22年(2010年)にさかのぼる。当時、赤堀支店に勤務していた高橋は、介護事業会社の創業に携わった経験を買われ、介護事業者の意見交換会のオブザーバーに。介護事業での創業を夢見ていた石原社長も、この会に参加していたのだ。高橋は石原社長との出会いを、こう振り返る。
「直接お話しする機会があって、創業に対する熱意を感じました。ただ、どのようなプロセスで創業したらいいかを悩んでいらっしゃった。他の金融機関にも相談されていたようですが、なかなか親身になってくれるところがなかったようです。私なら、介護事業会社の立ち上げをサポートした経験を生かし、お役に立てるのではないか。こう考えて、足しげく石原社長のもとを訪れるようになりました」
当初、石原社長が考えていたプランは、自分の所有している土地に、規模の大きな介護施設を建設するものだった。しかし、大規模施設をいきなり建てるとなると、借入れ資金が多くなりリスクも大きくなってしまう。そこで高橋は、これまでの経験から、リスクの少ない形での創業を提案したのだ。
「小規模なデイサービスからスタートして、まずは事業基盤を固めることが先決。本丸となる大規模施設の建設を考えるのは、それからでも遅くありません」
結果から言えば、こうした高橋のお客様の立場に立った提案が石原社長の心をとらえる。「お任せしたい」という言葉を引き出すことになったのだ。以後、高橋もこの信頼に応えるべく、デイサービスをするのにふさわしい物件の調査から最適な資金調達の方法まで、親身になって奔走。デイサービス施設「ときめき」の開業にこぎつける。
こうして開業した「ときめき」は、身の丈にあった高橋の提案が奏功し、当初から定員いっぱいの利用者を集め順調なスタートをきる。高橋も、時間を見つけては石原社長のもとを訪問。試算表を作成するなどして経営状況をチェックし、経営面のアドバイスを行う。
「思った以上に、順調に基盤固めができたので、平成25年(2013年)からはいよいよ本丸である大規模施設の建設に向けた動きをスタートすることになりました」
高橋の言う動きとは、資金計画から施設を建てるための土地探し、さらには建築プランの立案等である。当然、これらの動きにおいても、高橋が全面的にサポートした。融資はもちろん、培ったネットワークを活用して候補となる土地を20カ所以上リストアップ。石原社長と一緒になって絞り込み、地主との売買交渉の席にも同席。ついには、40床をもつ大規模な介護施設をオープンすることになったのである。
お客様からひとこと
介護事業を手掛けたいという想いは、10年以上前から持っていました。でも、所有している土地の活用を他の金融機関に相談すると、リスクのないアパート建設を勧めるところがほとんど。そのなかで、親身になって私の介護事業に対する想いを聞いていただけたのが高橋さんでした。想いを実現できたのも、高橋さんのサポートがあってのことです。